的矢かき
認定品について ~三重ブランド「的矢かき」とは~
1925年(大正14年)に佐藤忠勇氏[1887年~1984年]は、志摩半島の入り江のひとつ、的矢湾に佐藤養殖場を設立、牡蠣の養殖に着手しました。
志摩半島の山を水源とする3本の川が流れ込み、プランクトンが豊富で栄養豊かな海水と、波の静かな湾内が牡蠣の養殖に最適であることを見抜いた佐藤氏は、1927年(昭和2年)に現在の養殖形態のもとになる筏(竹)を使用して1年カキを養殖し、翌1928年(昭和3年)に本格的な経営に着手するとともに、1930年(昭和5年)に貝類の研究及び湾内の観測のため、的矢湾養蛎研究所を設立しました。
1953年(昭和28年)には紫外線利用によるカキ浄化法を開発、1955年(昭和30年)に特許を取得し、「清浄的矢かき」として販売を開始しました。以来、的矢湾の自然環境に調和した養殖法と浄化技術により、高品質なカキを生産しつづけています。
佐藤養殖場では、プランクトンが豊富な漁場環境を生かして、他県では2~3年間養殖するカキを1年で出荷するため、1年貝特有の渋みが少なく甘味が強いカキが生産されています。また、垂下しているカキを出荷の1ヶ月ほど前に一度海から引き上げ、一粒づつ籠に入れて再び約1ヶ月養成するため、身入りがよく、むらのないカキが生産されています。
東京、関西など全国の約700のレストラン、ホテル等に直接出荷されており、その品質への高い評価から、他所で生産されるカキよりも高値で取り引きされています。
知っていますか?カキの浄化技術
「海のミルク」と呼ばれるカキは、ほとんどすべての栄養素をバランスよく含み、必須アミノ酸をすべて含有し、糖質のグリコーゲンが豊富で、ミネラルやビタミンも均等に含んでいます。「生ガキにあたる」というのは、実はこの栄養価の高さも一因で、それだけ菌が増殖しやすいからなのです。
カキは、1時間あたり、17リットルから20リットルの海水を体内に通過させ、餌をとり排泄します。佐藤忠勇氏は、この時にカキ自身が、餌と一緒に体内に取り込んだ細菌を排出することに着目、カキを紫外線灯によって滅菌させた海水で18時間以上飼育することで体内が浄化され、ほぼ無菌状態のカキができることを発見しました。以来、佐藤養殖場の「清浄的矢かき」は、生で安心して食べられる高品質なかきとして、広く市場に認められています。